活用事例

このページでは、掲載されたアイディアのうち実際に利活用に至った事例や、メディアで紹介された事例を紹介しています。


事例1軽石の標本の配布状況

【ネコのわくわく自然教室】

沖縄から全国の希望学校へ学習教材として軽石を届けるという取組が進められています。
これは、沖縄県中城村で子どもたちの自然教育を行うNPO法人「ネコのわくわく自然教室」と、全国の地学・理科教員の集まり「全国地学教育関係者オンライン情報交換会」が連携して行う民間主導のプロジェクトとしてはじまりました。
2022年1月はじめ、これら団体からの情報発信を通じて、教材として役立てるために軽石の郵送を希望する学校や教育施設を募ったところ、全国各地から希望する学校から次々と手が上がり、同年3月2日までに、山形、福島 、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉、静岡、新潟、愛知、滋賀、奈良、大阪、兵庫、広島、岡山、香川、福岡、宮崎の 全国19 都府県、43学校へ軽石が発送されました 。

軽石の郵送図

また、軽石が手元に届くだけでは、上手く教材として活用しにくい部分もあることから、ネコのわくわく自然教室で作成した「軽石のふしぎ図鑑」を沖縄での漂着状況から火山と軽石の構造などを理解するための副教材として活用いただいているとのことです。

昨年11月に発行した「軽石のふしぎ図鑑」

事例2軽石を使ったストラップ「受軽石(うかるいし)」

【ゆしゆし】

沖縄県恩納村内の民宿「ゆしゆし」では、約1,400km “沈むことなく“沖縄に流れ着いた「軽⽯」に星砂や琉球 ガラスを組み合わせ、「受軽⽯(うかるいし)」を作成しています 。
ゆしゆしでは、軽石が漂着してきた当初は ただ困惑していたものの 、時間が経つに連れ、環境への影響も大きくないことが分かり、また、軽石について 調べているときに、鹿児島での「受軽石」の記事を見つけ、受験生に届けようと思い立ち、作成をはじめたとのことです 。
また、ネガティブな報道しかされていない軽石を、少しでもポジティブに感じてもらえたらと思っているとのことです 。

受軽石(うかるいし)写真3

事例3石こうの型(陽性モデル※1

【佐喜眞義肢】

※1実際の足や腕を型取った「陰性モデル」に、石こうを流し込み固めて足や腕と同じ形を製作した石こうのこと。

肘や膝の負担を和らげる装具や義手などの制作・販売を手掛ける佐喜眞義肢(沖縄県金武町)では、装具を制作する際に必要な「石こうの型(陽性モデル)」に軽石を活用し強度も保たれた工法を開発しています。

軽石を装具の製造工程で利用することで、石こうの削減に伴う軽量化や経費の削減、作業効率が上昇するとのことです。
そして軽石を使用することで 、海洋環境の改善へ貢献することができたと喜んでいらっしゃるとのことです 。

石こうの型(陽性モデル)写真

石こうモデル製作工程

回収した軽石を利用し、水と石こうを混ぜ合わせます。
その後、患者の足や腕を型どった、中が空洞の「陰性モデル」に石こうを流し込み、陽性モデルを製作しました。

石こうモデル製作 -試験結果

水、石こう、軽石の分量を調整し試験した結果、水、石こう、軽石を1対1.5対1.5の混合比率が実利用に適した配合と判断したとのことです。

石こうモデル別 試験結果
石こうモデル別 試験結果
水、石こう、軽石を1対1.5対1.5の混合比率で配合した石こうモデル
水、石こう、軽石を1対1.5対1.5の混合比率で配合した石こうモデル

事例4軽石活用漁礁

【株式会社沖坤】

コンクリート二次製品製造・販売等を行う建材・土木資材メーカーの株式会社沖坤(沖縄県名護市)は、同社の提案する『水産系製品(魚礁等)の製作』を用いた軽石活用魚礁が本部町に採用され、10月11日、本部漁業協同組合の漁業者らによって、本部町崎本部沖に当該魚礁を沈設したとのことです。

同社では、2018年から泡盛蒸留粕を素材原料として用いたセメントを使用しない特殊な固化技術を開発しており、今回、海底火山「福徳岡ノ場」の噴火の影響で去年から県内各地の海岸に大量に漂着した軽石を利活用した環境に優しい軽石活用型アミノ酸含有固化体製品(魚礁等)を開発し、実用化に至ったとのことです。

                         崎本部集落沖合 水深17m

魚礁ブロック設置状況

軽石配合アミノX型漁礁ブロック 海底設置(2022/10/11)